新しい日系団体像がここにある 10/08/26 (16:14)
21、22日の両日、聖州サルト市で「第3回日伯祭り」が開かれた。同市はイツー市やジュンジャイ市と隣接しているが、日系人はわずかしか居住していないという。長らく日系人団体がなかったが、同市市長がブラジル日本移民100周年の際に日系人に声をかけ、日伯祭りが始まった。そして、サルト日伯協会(寺坂マサノブ・クラウジオ会長)が設立されたが、会員が少ない上、イベントを手がけたことがなく、見よう見まねで同祭を続けてきた▼21日の開会式に招かれ出席したが、素晴らしいイベントだった。開会式に立ち会った人々は口々に称賛した。運営面では問題点も多かったのだが、素人っぽさや手作りのひたむきさが人々の心を捉えたのだろう。昨年、悪天候も影響して3千人の入場者だったものが今年は1万8千人と5倍にも膨れ上がり、21日は夜中まで会場周辺はにぎわったという。成功の秘訣は、市と同協会が一体となっていることだ。市が主導するのではなく、同協会が企画立案したものを市が支援する。もともと、サルト市はイタリア人移民が多く、毎年イタリア系の人たちがイベントを開催しているが、マンネリ化が避けられず、市が目を付けたのが日系人だった▼今回の成功は、同協会の努力とサンパウロ総領事館や様々な日系団体が支援した賜物だ。大部一秋サンパウロ総領事は忙しい合間を縫って会場に駆けつけ、展示品の協力を惜しまなかった。福岡県人会は鯉のぼりを提供、様々な団体が舞台の出し物に協力してくれた。そして、もう一つ、地元に日本から進出している関東自動車工業の全面的なバックアップを忘れてはならない。同社がこの地に工場を落成させたとき、「地元の企業としてサルトの発展に寄与したい」と約束したとおり、同協会の人たちと一緒になって会場で汗を流した姿に感動した人は多い▼こうした人たちの協力でサルトの日系人は高い評価を受け、今後の活動に期待が高まっている。同協会会員は日本人や日系人だけではない。役員や事務局には非日系人が最初から関わり、それぞれが大きな役割を果たしているところが、従来の日系団体とは異なっている点だ。会場で感じたのは、「この協会は、これからの日系団体のモデルケースになる」ということだった。大きなイベントを成し遂げたことで日本や日本文化に興味を持つ人たちが、同協会に集まってくる。どのように発展していくのか、これから目を離せない団体の一つだ。(鈴)
2010年8月26日付
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