移民史料館に将来展望を 10/08/27 (10:21)

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 既報のようにブラジル日本移民史料館に小物物品を収納する収蔵庫が完成した。20平方メートルほどの小さな部屋に1千点余の移民史料が収納されている。「ごみの山」と揶揄された移民史料のごく一部が整理整頓された。同史料館運営委員会の栗原猛委員長は、収蔵庫の横に付けられた廊下部分を指さし、「将来的にはこの廊下を通って向こうの部屋にも収蔵庫を作りたい」と抱負を語った▼史料館、博物館は、この種の収蔵庫が一番大切で必要なのだが、同館は開館以来32年目に初めて世間並みの収蔵庫を持ったことになる。この収蔵庫の建設に携わった栗原委員長以下関係者の人たちの努力に敬意を払うべきだろう。だが、今後予定されている収蔵庫の拡張計画もスペースが少ない上に、空調設備が整っていないことを考えると、喜んでばかりはいられない。収蔵庫入り口に掲げられた建設協力企業名の入ったプラッカ(プレート)をみても日本企業が10社にも満たない。寄付金に頼ることが最良の方法ではないし、まだ大々的に企業にお願いしていないのかもしれないが、同館の目的や意義を考えると企業の理解が少ないと言わざるを得ない▼企業の協力を得るためには自助努力が不可欠になる。まず、自己資金を用意すること。その次に主体者である日系コロニアから浄財を集めることだ。その上で、不足部分を日本企業やブラジルの企業にお願いする手順を踏まなければいけないだろう。そして、それ以上に重要なことは、同館の所有者であるブラジル日本文化福祉協会が同館に対する将来展望をどう考えているかを明示しなければいけない▼数年前の話である。ある企業が文協地上階の援協診療所が移動するのではないか、という話を聞き、その跡地利用として同館の移転を持ちかけた。この企業は当時の文協理事会に「夢のあるプロジェクトを出して欲しい」と数百万レアルを用意したという。ところが、いつまでたっても文協はプロジェクトを提出せず、この話は立ち消えになってしまった。当時も今も文協は「夢」も「将来展望」も持ち合わせていない。これでは、企業はおろか日系コロニアも説得することはできないだろう▼同館の収蔵庫をはじめ史料のデジタル化は始まったばかり。文協理事会は運営委員会任せにするのではなく、会長以下理事会のメンバーが知恵を絞り汗をかかなければ、将来に残す遺産にはなりえないことを肝に銘じるべきだ。(鈴)

2010年8月27日付


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