東京便り 民主党、菅氏と小沢氏の一騎打ち 10/08/30 (9:09)

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 日本の政界は、9月14日投開票の民主党代表選挙に小沢一郎前幹事長が立候補を表明、注目を集めている。小沢氏は、「菅首相は官僚に取り込まれ、政権交代を果たした意味がなくなりつつある」と批判してきた政界の実力者だけに、その動向が注目の的だった。各メディアの予想では、政治規正法違反事件が決着していないことから、小沢氏の出馬は無いという見方が強く、党分裂を避けるために鳩山由紀夫前首相も菅、小沢両氏の融和のため奔走してきた。ところが菅首相が鳩山氏の融和策を拒否したことで、鳩山氏は小沢支持を表明、今回の小沢氏出馬への道筋を付けた。これで民主党の党首選は菅対小沢のガチンコ勝負になり、党分裂の危険をはらんだまま推移していくことになる▼民主党内では、現閣僚を中心に菅首相続投を支持する声が上がっている。これに対して小沢グループからは、「現執行部は、参議院選挙で大負けし国民の支持を失ったのにもかかわらず、誰も責任を取ろうとしない」と批判の声を上げており、これから両グループによる激しい多数派工作が展開されることになる。読売新聞、朝日新聞などの世論調査では、菅続投支持が80%近くにもなる。参議院選挙で惨敗した菅氏がどうしてこんなに支持されるのか分からないが、黒いイメージがつきまとう小沢氏と比べるならまだ菅氏の方がまし、ということなのだろうか▼ここ1年間小沢氏は、土地取引や西松建設からの裏金問題でメディアに批判され続け、黒い政治家のイメージを植え付けられた。実際は、検察は裏金問題を1年間も捜査し続けたが何の証拠も得られず、起訴できなかった。結局、秘書達を政治資金規正法の記載違反で起訴したのみである。それも土地代金の支払いを翌年に回して記載したという記入ずれを指摘したに過ぎず、元検察官で大学教授の郷原信郎氏も、「こんなことは、訂正すれば済む話で、これまでも行われてきたこと」と語り、この事件については首を傾げている。こういったことから小沢支持者からは、「小沢を追放するための国策捜査だ」といった意見も出されていた。支持者達は長期にわたる小沢たたきを、「今の民主党から小沢氏がいなくなれば、遠からず民主党政権は終わるでしょう。既存の政治勢力にすれば、日本のあり方を根本から改革しないと日本は沈没するという小沢さんに、政権を取られては困るということですよ」と説明する。この説明が正しいかどうかは置くとして、異常なまでの小沢たたきであったことは間違いない▼無愛想で、くどくどと細かい説明をしない小沢氏は、この黒いイメージを払拭できないまま出馬した。果たして両者の勝負はどうなるのだろうか。基礎票といわれる各グループ(自民党の派閥に似ているが、そんなに強い結びつきはない)の所属人数をみると、報道機関によってまちまちだが、小沢グループ120から150、鳩山グループ45から50、菅グループ30から60、野田グループ30から35、前原グループ30、旧民社党グループ30から40、旧社会党グループ30といったところだ。小沢、鳩山グループが推せば、170から195票が基礎票になり、全議員412人の半数近くを制することになる。数から見れば、小沢氏が圧倒的に有利である。ただ、他にサポータが35万人おり、地方議員もいる。これらの票がどう動くかで、勝敗が決する。国民の多くは、これから発表される両陣営の政策を、ただ眺めているしかなさそうだ。(東京支社=瀬頭明男)

2010年8月28日付


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