ブラジルリスクではない経常赤字の増大
10/09/02 (17:27)
金融危機後も順調に推移しているブラジル経済において、経常赤字の拡大はリスク要因と見る論調が強まっている。ブラジルの経常赤字は既に金融危機以前から赤字基調にあったが、リーマンショックでさらに加速し、本年上半期末時点では昨年同期の71・8億ドルから3・3倍の239・3億ドルに拡大している。対外勘定の赤字は、外資の国外流出を意味するものであるから、この数字だけ見ると確かに警戒すべき事態である。赤字拡大の主因は、貿易黒字の縮小、外資系企業による対外利益送金の増大、さらにレアル高がブラジル人の海外旅行に拍車をかけ観光収支の赤字が拡大したことなどが挙げられる。
しかし、この経常赤字は資本収支勘定でカバーされ、最終的に国際収支は黒字が保たれている。資本収支とは、直接投資や金融取引に関する動きである。企業の決算に例えるならば、営業収支の赤字が金融収入の増大でカバーされているようなものである。
国際収支の帳尻が最終的には黒字だから心配するなと言うつもりはない。投機マネーのお陰で黒字を保っていても、いつそのお金が逃げ出すかわからないのでは確かに心もとない。
重要なことは経常赤字の内訳である。貿易黒字が縮小したのは、輸入の急増に原因があり、これはレアル高と国内市場の旺盛な購買力により輸出以上に輸入が伸びたためである。また、対外送金の増大は、外資企業がブラジルで獲得した利益が苦境にあえぐ海外の親会社を助けている結果であり、ブラジル子会社のプレゼンスは大いに高まっている。つまり、経常赤字の増大は、ブラジルリスクによって外資が国外逃避して起きているものではない。
しかし、この経常赤字は資本収支勘定でカバーされ、最終的に国際収支は黒字が保たれている。資本収支とは、直接投資や金融取引に関する動きである。企業の決算に例えるならば、営業収支の赤字が金融収入の増大でカバーされているようなものである。
国際収支の帳尻が最終的には黒字だから心配するなと言うつもりはない。投機マネーのお陰で黒字を保っていても、いつそのお金が逃げ出すかわからないのでは確かに心もとない。
重要なことは経常赤字の内訳である。貿易黒字が縮小したのは、輸入の急増に原因があり、これはレアル高と国内市場の旺盛な購買力により輸出以上に輸入が伸びたためである。また、対外送金の増大は、外資企業がブラジルで獲得した利益が苦境にあえぐ海外の親会社を助けている結果であり、ブラジル子会社のプレゼンスは大いに高まっている。つまり、経常赤字の増大は、ブラジルリスクによって外資が国外逃避して起きているものではない。
さらに資本収支の増大は、ブラジルに対する直接投資が堅調である上、金融危機と先進諸国の超低金利で行き場を失った国際投資マネーが高金利のブラジル債券を買い込んだり、証券市場に流入しているためである。
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