東京便り 「出稼げば大富豪」に思う 11/05/24 (9:06)

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 4冊の書籍が送られてきた。本のタイトルは「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ刊)という本の1巻から4巻である。著者は黒岩将さん(奈良先端科学技術大学院在学中)。以前、電話があり、「これからの若者は海外へ出稼ぎに行くのが成功への近道。その成功談の話です」と内容を説明してくれた。それならブラジルも全く関係がないわけじゃないので、送って下さいと返事をしておいた。その本が届いたわけである▼届いた本を読んでみると、考えていたような「海外に新天地を求める」といった内容ではなく、起業したい若者、あるいは商売がうまくいかない中小企業経営者へのアドバイス集といったものであった。本は、バリ島に移住した元暴走族の頭(かしら)で、15年で現地に家20軒を持ち、23社の会社を経営している大富豪の教えを受ける、という形で書かれている。その大富豪の言葉が面白いので、紹介したい▼「問題に悩むというのはエビでも出来る。問題と共存し、解決することを楽しみに変えていく。それが出来るようになったら繁栄は近い」「貧乏人はどうでも良いことに金を使う」「クレーム(客からの苦情)は最高。この中に会社の問題が潜んでいる」等と、商売のコツといったものが散りばめられている。形式的には大富豪の言葉を筆者が書き留め本にした、といった体裁になっているが、あるいは筆者の頭の中で生み出されたものかも知れない▼ペンギンという動物がいる。その大富豪は「ペンギンは仲間がやられても見守るだけ、自分の子供すら見捨てる」と語り、今の日本人がペンギンだと言う。「自分の今があるのは、不良でペンギン学校に順応せず、学校に行かなかったから」と言うのだ。日本の枠組みに収まりきらず、海外へ飛び出すことで、勝利を得たというわけだ。多分、ここら当たりはブラジルに来た日本人移住者にも通じるものがあるかも知れない。▼最後に、大富豪が今の日本について語っている言葉を書いておこう。「今の日本は河口の国だ。ブラジルなどの新興国は上流の国。河口は流れが鈍くよどんでいるが、上流は流れも速く清んでいる」。流れを時代に置き換えて考えてみると、日本は老いた国で、若者たちが活躍する場は限られているということのようだ。(東京支社=瀬頭明男)

2011年5月24日付


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