何事も独創的な仕事を ノーベル化学賞受賞の鈴木章氏が講演
11/09/08 (17:22)
若い世代の海外で学ぶ意義を重視
昨年ノーベル化学賞を受賞した鈴木章北海道大学名誉教授の講演会「ノーベル化学賞への道」が、文協、援協、県連、JICA、JICA研修員OB会、ブラジル北海道協会、ブラジル北海道大学同窓会の共催で4日、聖市リベルダーデ区の文協小講堂で開催された。会場には共催、支援、後援団体から代表者が訪れたほか、事前に予約した聴講希望者約200人が来場。講演では、自身が化学者として過ごした過程が語られ、講演後は閉会を惜しむような大きな拍手に包まれた。
鈴木教授は、1日からブラジリアで行われた「第14回ブラジル有機合成会議」に出席するため来伯。昨年ノーベル化学賞受賞が決定した際、ブラジル北海道大学同窓会会員らが祝辞の寄せ書きを贈ったことがきっかけで、講演開催が実現した。
講演会に先立ち開かれた記者会見で鈴木教授は若い世代が海外で学ぶ意義について、「日本人は大部分が単一民族。あまり詳しく言わなくとも日本人同士であれば以心伝心が通用するが、それは日本だからこそ。外国人と議論や討論を重ねて、相手を理解することで考え方がプラスになる。また、外国で一番大事なことはその国の友人を作ること。狭い日本だけでなく新しいことを発見してほしい」と持論を展開した。
また、ブラジルの温かい国民性や多くの日系人が当地に貢献している現状を日本へ戻り伝えたいと、初めて訪れたブラジルについて語った。
鈴木教授は1930年、北海道むかわ町に生まれた。54年、北大理学部化学科を卒業、60年に同大学院理学研究科博士課程を修了、理学博士となった。63年にアメリカのPurdue大学に博士研究員として留学した際はH・C・ブラウン教授に師事した。
65年に帰国、有機合成の新分野を切り開く研究を始め、78年「鈴木・宮浦クロスカップリング反応」を発見。翌79年、同反応の論文を英国の雑誌に発表した。
94年以降、同反応が天然の化合物であるパリトキシンの全合成に貢献したことにより、実用化。2010年、文化功労章、文化勲章を受章、同年、同反応の功績が認められノーベル化学賞を受賞した。
講演会は本橋幹久、山添源二両氏による司会で進行。山下譲二文協副会長、大部一秋在サンパウロ日本国総領事館総領事、三上隆北海道大学副学長が講演に先立ちあいさつした。









