「孫への遺産残すために」 平田セシリア氏伝記出版記念会
11/09/30 (13:31)
「平田セシリアの伝記」出版記念会が、15日午後7時から文協ビル9階の移民史料館で開かれた。
書籍「Cecilia Hirata- vida e familia de uma mulher cosmopolita(平田セシリアの伝記―ある国際女性の生涯と家庭)」は、日系の連邦議員として活躍した平田ススム・ジョアン氏の妻、セシリア氏の半世紀を描いたもの。本人の記述と聞き書きから、著者のユミ・ガルシア・ドス・サントス氏が1冊の本にまとめた。
記念会では、出版の援助を行った宮坂国人財団法人のアントニオ・ローザ・ネト氏、長女の平田エレナ氏、平野セイジ氏(サンパウロ大学名誉教授)、サントス氏、大原毅氏(文協前評議員会長)ら5人の関係者と平田セシリア氏本人が講演を行った。
前書きを書いた平野氏は、セシリア氏が「特権階級の子女でどんなエリートとでも結婚できたのに、家族に反対されてもススム氏との結婚を望んだ」ことに触れ、自由かつ自律的に人生を選びとっていくその精神をたたえた。
サントス氏は、ススム氏が福岡の隠れキリシタンの村、今村出身であることに注目し、日本におけるカトリック信仰の歴史について説明した。そして、ススム氏の両親が肩身の狭い思いをする日本を出て、カトリックの国であるブラジルへの道を選んだという、移民史の知られざる側面について語った。
講演の最後にはセシリア氏がマイクを取った。本ができた経緯を「孫への遺産として残してほしいと娘に言われて書く気になった」と話し、8人の子育てに追われた日々や、夫の交通事故と突然の死、未亡人となってからのことなど、自らの人生を振り返った。
また、一家にとって「約束の地」であるブラジルへの愛情と感謝を示しつつ、3月に起きた東日本大震災にも触れ、ブラジルにいながらも被災地との連帯感を持っていると話した。最後に、「夫の出身地である今村で4年間過ごした時、隠れキリシタンたちから揺るぎない信仰と世界全体のために祈ることを学んだ」と語った。
拍手の中で講演が終わり、乾杯とともに軽食が振る舞われた。その後サントス氏とセシリア氏によるサイン会が始まった。
セシリア氏は「まさか私のことが本になるとは思ってもいませんでした」と、あくまでも謙虚な姿勢で、ひっきりなしの列にサインを続けた。
サインをもらった酒井八千代さん(70、2世)は「政治家として有名な平田ススム氏の奥様ということで興味を持った。きょう、本を買ったので読むのが楽しみ」と話した。
同書籍は、イビラプエラ公園日本館、移民史料館、文協事務局、文協図書館で取り扱う。一般書店でも注文にて購入可能。出版社は「エジトーラ・テルセイロノーメ」。販売価格は28レアル。
2011年9月30日付









