環境情報と私たちの暮らし(7) 成田 修吾 11/11/24 (9:02)

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「水資源の危機」 

水は私たち人間の命の源であるだけなく、地球上すべての生命の源である。ところが、私たちはその一番大切な水を大量に使い、汚し続けている。世界の水資源は枯渇寸前にあることを調べてみた。

世界人口のうち11億人が適切な飲用水を確保できていないだけでなく、国際連合は26億人が環境衛生(排水処理など)用水を適切に確保できていないと認識している。

地球上に今、飲み水として利用できる水はどのくらいあるのだろうか。実は98%が海水で、淡水は2%。その大部分は南極や北極の氷山などで、私たち陸上生物が利用できる水は全体の0・01%にも満たない。わずか一滴の水をすべての陸上生物が分かち合って生きている。この水が枯渇したり汚染されると、すべての生物が絶滅してしまう。国連調査機関では、2025年には安全な飲用水と基本的な公衆衛生サービスを持たない人々が、世界人口の3分の2に上ると見込まれている。

現在、世界の11億人が水不足の状況で生活している。不衛生な水しか得られないために毎日6千人(年間200万人以上)の子供たちが亡くなっている(国連水資源報告書)。水不足の地域では、干ばつや地下水の減少、湖沼が小さくなるなど、食糧を作るための農業用水や飲み水さえ十分に得られなくなっている。

機械化された灌漑(かんがい)農業。大規模な灌漑農業を可能にする一方で、大量の農業用水を必要とする。農業用水は水の需要の最も大きな部分を占める。日照りや干ばつの影響を最小限に抑える農法として古くから行われている灌漑農業は、安定した水の供給なしでは成り立たないため、河川や湖沼、地下水などを水資源として開発することが進められてきた。しかし、これらの水源からの限度を超えた取水により、世界各地で農業用水や生活用水などが不足する地域が増加している。

紀元前の古代エジプトやメソポタミアで始まった灌漑農業は、その水源を河川に求めていた。以来、河川は農業用水の安定した供給源であり続けたが、ダムの建設技術の発達などによって大規模な開発が可能になると、河川が持続的に供給できる水量を超えた取水が行われるようになった。

中国の黄河では、1990年代から毎年のように一時的に下流が干上がり、97年には河口から600キロに及ぶ断流が起きた日が262日に達した。上流から中流での河川の水量の90%という過剰取水が原因と考えられている。中国第2の大河が取水増加のたため1年の半分以上、河口まで水が流れなくなり、流域の人々が飲料水にも困り、工場の操業停止、公衆浴場、公衆便所も使えなくなった(なお、取水制限などにより、99年以降断流は発生していない)。



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