環境情報と私たちの暮らし(8) 成田 修吾 11/11/25 (9:00)

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「オゾン層破壊」

去る9月16日は「国際オゾン層保護デー」だった。これは1987年にモントリオール議定書が採択されたことを記念して、94年の国際連合総会で定められた記念日である。また、日本ではオゾン層保護のための国際デーがある9月をオゾン層保護対策推進月間と定め、諸々の啓蒙活動を行っている。

10月3日付読売新聞には「北極圏で最大のオゾン層破壊、4割失う」の見出しで、北極圏で今春、観測史上最大のオゾン層破壊が起きていたことが、国立環境研究所など9か国の国際研究チームの分析で分かった、とある。
オゾン層には有害紫外線を吸収する重要な作用があり、もしオゾン層がなくなれば陸上の生物は死滅する。今、人類が作り出した化学物質フロンによって危機的な状況になっている、という。オゾン層とはいったい何なのだろう。私たちにどのような影響があるのだろうか、調べてみた。

オゾンは三つの酸素原子から成る酸素の同素体で、分子式はO3。腐蝕性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持つ有毒物質である。大気中にもごく薄い濃度で存在する。成層圏中で、酸素分子が太陽からの波長の紫外線を吸収して光解離し、酸素原子になる。この酸素原子が酸素分子と結びついてオゾンになる。

オゾンは主に、日射量の多い赤道上の熱帯成層圏下部で最も活発に生成されている。生成されたオゾンはブリューワー・ドブソン循環によって高緯度の成層圏に運ばれるので、極域のほうが熱帯地よりもオゾンが多くなる。

オゾン層とは、地球の大気中でオゾンの濃度が高い部分のこと。オゾンは地上から約10~50キロほどの成層圏に多く存在し、特に地上20~25キロの高さで最も密度が高くなる。

赤道から両極に向かう循環で、成層圏下部にあたる高度20キロ付近で一年中続いているため、オゾンの輸送は年中途切れない。しかし、極付近の成層圏下部には極渦というジェット気流帯があり、これにより熱の輸送が遮断されて低温になり、冬には大量の極成層圏雲が生成される。春から初夏にかけて、この氷の雲が融解すると同時に塩素原子が大量に発生し、オゾンが分解されて濃度が急低下する。北極ではロスビー波の影響で極渦に乱れがあるため濃度の低下は弱いが、南極では極渦が発達し、春季にオゾンホールを発生させる主因となる。

オゾン層は、太陽からの有害な紫外線の多くを吸収し、地上の生態系を保護する役割を果たしている。紫外線は波長によって三つに分類される。最も波長が短く 有害なものはオゾン層によって完全に吸収され、地表に届くことはない。波長を持つものは、そのほとんどがオゾン層によって吸収されるが、その一部は地表に 到達し、皮膚の炎症や皮膚がんの原因となる。最も波長の長いものは、大半が吸収されずに地表に到達し、有害性は他のものよりも小さいが、しわやたるみの原 因になる。



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