環境情報と私たちの暮らし(9) 成田 修吾 11/12/05 (10:21)

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「生物種の絶滅」

 自然に起きる絶滅の1千倍以上の速度で現在、地球史上6回目の大絶滅が進行中である。過去5回の大絶滅は、自然により起こった。しかし今回の大絶滅は、森林破壊や化学物質の使用など人間活動が主な原因となって起きている。生物とともに人類は生きてきたのだが、その絶滅により人類の生きていく基盤が弱くなっているというのである。

生物の多様性(多様な生物が共存している)は、複雑なつづれ織りのようであり、相互に依存し合う微妙なバランスの上に成り立っている。 

生物種の数は控えめに見ても1億に達すると推定され、そのうち現在までに発見され、命名されているのは約175万種。その種と数は昆虫類75万1千、多細胞植物約24万8千、昆虫以外の節足動物(ダニ、クモなど)約12万3千、軟体動物5万、真菌類約4万6千などである。  

地球史の中でこれまでに生物種の大きな絶滅は5回あり、一番近いのが恐竜の絶滅として一般によく知られている白亜紀(6500年前)の絶滅。過去5回の大絶滅の主な原因は、地殻変動や火山活動・異常気象・巨大隕石の衝突などの自然災害だった。

現在進行中の大絶滅は、人間活動が主な原因となって起きているという。例えば、熱帯雨林が伐採や焼畑などでなくなれば、そこに生きていた生物種も消えていく。化学物質の使用や砂漠化などによって生きる場を失った動植物も、何百年もかかって作り上げた豊かで複雑なバランスの取れた生態系もろとも消失していく。

化石などの調査から、自然絶滅の速度は従来、百万種につき年に1種程度であると推定されていた。ところが近年、生息域の減少、乱獲などにより種の絶滅が急速な勢いで進んでいるのである。マイヤー国連環境計画特別調査官の予測によれば、生物が地球上から消える速度は、恐竜時代には約1千年に1種、1600~1900年には約4年に1種、1900年代前半には約1年に1種、1975年頃には約9時間に1種、1975~2000年の間に約13分に1種が絶滅している、という。

国連の『生態系評価報告書』によれば、現在の絶滅の速度は自然に起こる絶滅の1千倍以上になる。そして、現在進行中の大絶滅による絶滅種・絶滅危惧種の予測割合は、哺乳類38%、鳥類19%、爬虫類25%、魚類30%、植物種の全種14%などである。



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