環境情報と私たちの暮らし(終) 成田 修吾 12/01/23 (9:03)
これまで9回にわたり、地球規模で起こっている異常現象について、国連機関が警鐘を鳴らしている事実を踏まえて大まかにまとめたものを書き述べてきました。私たちの暮らしは、気持ちよく健康な生活が求められることはすべての人が考える一致した希望です。
本編では、主に「地球温暖化」に起因すると考えられている様々な変動的な現象について考えてきたわけですが、この「温暖化」というテーマに対し「寒冷化」論もあることは事実です。それぞれの論説に懐疑的な意見を述べる科学者もいますが、そもそも世界各国政府の環境省がうたう「環境基準」はおおむね次のような内容です。
「環境基準とは、人の健康の保護、及び生活環境保全の上で維持されることが望ましく、その基準として大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施いくのか、という目標を定めたもの」
昨年12月の「COP17」では今年 年末で期限が切れる京都議定書条約を延長することで合意したものの、日本政府は13年以降に削減義務のない「空白期間」として様子を見ることを表明し、世界各国が足踏みを見せ始めました。カナダなどは「京都議定書については、我が国にとって過去のもの」と議定書締約国脱退を表明しました。主要排出国の中国や米国が削減義務のないことも一つの原因のようです。
国連の気候変動枠組条約で温暖化問題に懐疑心を持ったり、寒冷化に疑問を持ったりすることよりも、いま地球規模で起こっている自然現象の脅威について深く知り、その防御と安全と保全を考えて、私たちの身の回りの生活から改善できないか模索してみようというのが私の本来のテーマです。
2日にノルウェー北部の浜辺に20トンという大量のニシンが打ち上げられて死んでいるのが見つかった事例をどうのように解釈するかはみなさんのご賢察にお任せします。さらに日本の報道では年末から年始にかけて米南部アカーンソー州でも鳥の大量死が確認されています。
予防原則という言葉があります。科学的な因果関係の証明が不十分でも、人体や環境に重大で取り返しのつかない影響が出る恐れがある場合は、法的規制などの対策を取るべきだという考え方で「予防措置原則」とも呼ばれます。1970年代の初めにドイツで導入され、90年代から環境問題に適用され始めましたが、経済活動が制限される場合も多く非科学的との批判もあります。水俣病や薬害エイズ、アスベスト問題などは、対策が遅れて被害が拡大した例があります。一方で、イタイイタイ病はまだ原因がはっきりしていない段階で対策が講じられ、予防原則の数少ない成功例とされています。









